東京栄養サミット2021(N4G:Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021)レポート

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東京栄養サミット2021(N4G:Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021)レポート

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栄養状態改善に向けた国際的な取り組みを議論する、日本政府主催の「東京栄養サミット2021」(N4G:Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021)。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催国で実施されるものです。

「東京栄養サミット2021」では、厚生労働省をはじめ、農林水産省、外務省、経済産業省、日本栄養士会などの各省庁および団体によるサイドイベント(以下、イベント)が開催されました。



そのうちの一つ、パレスホテル東京(東京都千代田区)葵の間で、2021年12月7日、8日の二日間で実施された、厚生労働省のイベントの様子をご紹介します。



一日目の12月7日(火)は、厚生労働省主催のイベントは、「日本の栄養政策」など、5つのプログラムを実施。
10:00-11:30に開催された「リレー講演:地域高齢者に対する栄養の取組」です。



モデレーターは、藤田医科大学の三浦公嗣教授。7人のスピーカーによる講演がスタートしました。詳しいプログラムはこちら。

協会会員校の武庫川女子大学の教授で、日本在宅栄養管理学会の前田佳予子理事長は、在宅訪問栄養食事指導を実施するための、介護が必要な人を援助する知識と技術を学び、ご本人と介護者の希望に期待にこたえることで栄養改善ができることを目的とする同学会の活動内容を紹介。




在宅訪問栄養食事指導により、療養者が在宅での生活を安全かつ快適に継続でき、さらにQOLを向上させるためにも、管理栄養士の役割が非常に大きいとのこと。
また、在宅での治療を望む本人とその家族に寄り添い、専門家として栄養食事指導を行う管理栄養士の重要性をアピールしました。

実際の家庭で記録された写真をもとに、在宅医療のプロフェッショナルとして、”管理栄養士と言語聴覚士と看護師”がタッグを組んだ、多職種連携による療養者の最後の食事の様子は(実際には食感や味覚を味わう)、単純に食事を与えるだけでない、体と心に寄り添う管理栄養士の仕事内容に、グッと胸が熱くなるのを感じました。


「東京栄養サミット2021」の2日間です


12月8日(水)10:00-11:30に開催された「リレー講演:日本の栄養政策」。詳しいプログラムはこちら。
厚生労働省健康局 健康課栄養指導室 清野富久江室長の進行によりスタート。


厚生労働大臣政務官 島村大氏は、栄養サミットが国内外の栄養改善への大きな契機になるとスピーチ。


続いて、参議院議長で国際母子栄養改善議員連盟会長の山東昭子氏が登壇。


戦後、栄養不良に苦しんだ日本が、栄養調査や栄養士制度、学校給食、栄養指導など、科学的なエビデンスに基づき栄養政策を進めた実績をもとに、日本の栄養が世界をけん引することを力強くアピールしました。


日本栄養士会の鈴木志保子副会長は、医療機関や自治体、健康保険組合、民間企業、保険薬局などで活躍する管理栄養士・栄養士や、日々の食・栄養に関する相談から特定保健指導、セミナー講師、調理教室の開催まで、栄養学に基づいたさまざまなサービスを展開することで、管理栄養士・栄養士の資質の担保をし、社会から必要とされるためのキャリアアップ支援の内容を紹介。


また、国内外で大規模な自然災害(地震、台風など)が発生した際、迅速に被災地内の医療・福祉・行政栄養部門と協力して、緊急栄養補給物資の支援など、状況に応じた栄養・食生活支援活動を通じ、被災地支援を行うことを目的とするJDA-DATについても説明しました。



被災地に該当しない都道府県栄養士会JDA-DATなどによるチームで速やかに支援活動を実施する様子を知ることで、平時、有事ともに活躍する管理栄養士・栄養士の、社会的役割とその必要性を強く感じました。

この「東京栄養サミット2021」が契機となり、”栄養士と管理栄養士”に興味を持ち、目指したい人たちが増えることを心より願います。

(事務局:み)

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