<企業で働く栄養士・管理栄養士を紹介>患者さんの「おいしい」のために

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<企業で働く栄養士・管理栄養士を紹介>患者さんの「おいしい」のために

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栄養士養成施設協会の賛助企業として、全国の栄養士、管理栄養士を目指す人を応援しているシダックスフードサービス株式会社。
また、シダックスグループは、フードサービスから公共サービスまであらゆるサービスを提供し、お客様の健康的で豊かな生活を創造する総合サービス企業です。
相澤病院シダックス事務所の栄養士として活躍している矢野さんを取材しました。


矢野明日香さんのプロフィール
武蔵野栄養専門学校 栄養科卒業。入社3年目。仕事の傍ら来年度の管理栄養士国家試験の合格を目指して受験勉強に奮闘中。趣味は休日のドライブ。笑顔とパワーを充電します。

長野県松本市の中心部に位置する相澤病院は、*1急性期医療、高度医療を担う地域の中核病院です。
矢野さんは、相澤病院の給食業務を受託運営するシダックスグループのシダックスフードサービス(株)相澤病院シダックス事務所に勤務する栄養士。

病院給食は1日3食を365日欠かすことなく提供します。
相澤病院シダックス事務所では1日平均1100食を、管理栄養士2名、栄養士7名、調理師、調理員、事務など総勢47名のスタッフが早番、日勤、遅番のシフト制で担っています。

患者さんひとりひとりの立場にたった食事提供を目指して

矢野さんの仕事は、献立作成や発注などの給食事務から、衛生管理、調理や盛り付けなどの厨房業務まで、給食提供に関わる全て。
中でも献立作成と調理には苦心しています。
相澤病院が*1急性期病院という位置づけから、献立は28日のサイクルメニューです。
毎日の*2選択食などを含めて1回当たり34種類の食種を370食、患者さんの病態に応じて個別対応もしています。
また、病院給食は、治療の一環とはいえ入院生活における楽しみの一つ。入院中でも季節を感じて食事を楽しんでもらえるように、旬の食材や四季折々の行事食や郷土食を取り入れており、春ならではの旬の山菜づくし、土用の丑のウナギのかば焼き、長野県松本市の郷土料理の山賊(さんぞく)焼き、クリスマスやバレンタインデーなど毎回大変好評です。患者さんひとりひとりがおいしいと感じて楽しんでもらえるような食事提供を目指しています。
「患者さんが給食を食べるまでの、最初から最後まで一連の業務に携わることで、栄養士としてのやりがいを感じています」と矢野さん。

日頃、患者さんと直接関わることはありませんが、入院時に病院から渡しているコメント表に「おいしかった」と記入されているのがとても励みになります。
「行事食の時などは食札の裏に『おいしい』や『ありがとう』の言葉ととともに感想を書いてくれる患者さんもいて、本当にうれしくて元気づけられます」


矢野さんの仕事の様子の写真

小中学校時代の給食が栄養士を目指したきっかけに

矢野さんの仕事における信条は「業務の効率化」です。
給食事務では、献立作成や発注、入退院による食数管理、記録や書類の作成など、煩雑な業務を同僚の栄養士と連携して進めています。
その時々の自分の担当業務をきちんと処理していくためにタスク管理を意識しています。厨房業務では、大勢のスタッフとのコミュニケーションを大切にして、段取りよく仕事することを心がけています。

上司の今井仁美支配人は矢野さんについて、「根性と思いやりの人」と評価しています。「業務全体を見渡す目線を持っています。現場が大変なときに自分のことより同僚のことを考えてくれる強さと優しさを備えています」

矢野さんが栄養士を目指したのは、小学校と中学校の給食がおいしかったから。
子どもの頃から食べることが大好きだった矢野さんは毎日の給食を楽しみにしていました。
*3 自校式の給食室はガラス張りになっていて、調理の様子を見学することができました。調理員さんの一生懸命な様子を見て給食を作る人になりたいと思ったことがきっかけとのこと。

そんな矢野さんがシダックスを就職先として選んだ理由は、*4シダックスグループのマザーフードという基本理念に賛同したから。
「母親が子どものことを思って作るような心を込めた食事を提供する」という考え方に、児童や生徒のことを思って一生懸命に給食を作ってくれた母校の調理員さんのことが思い出されました。

今年度で管理栄養士国家試験の受験資格を得る矢野さんの目標は、来年度の合格を目指すこと。
もうひとつは、さまざまな事業を展開しているシダックスグループ内で、他業種の事業所を見学する機会などを通じて、今の仕事をスキルアップすること。
「子どもの頃に給食を食べて幸せだと感じた思いを忘れずに、これからは栄養士の自分が食べる人が幸せを感じるような給食を作っていきたい」と笑顔で話す矢野さんでした。


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*1 急性期医療/急性期病院
急性期とは緊急を要する症状が急激に表れる時期のことで、発症後おおよそ14日間以内が目安。急性期病院とは急性期の患者に対して専門的で高度な医療を提供する病院のこと。急性期の治療を終えると、患者は短期間で退院またはその経過にあった医療機関に転院します

*2 選択食
2種類の献立から好みの献立を1つ選ぶことができること

*3 自校式
学校内に給食室を設置して給食を調理する方式のこと

*4 シダックスグループの基本理念のマザーフードとは
「母なる地球がはぐくんだ豊かな大地と海の恵みを、すべてのお客様に母親のように真心を込めてお届けする」という想いで、全社員がお客様に接したいと考えていること
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