深堀り!栄養士実力認定試験過去問題~公衆衛生学②~

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深堀り!栄養士実力認定試験過去問題~公衆衛生学②~

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公衆衛生学からの「深堀り」、第2問目は、2024年度の問題4です。

この問題の正答率は65.4%でした。
正答は文末に掲載します。

(2024年)問題4. 母子保健についての記述である。正しいのはどれか。
(1) 妊娠した者は、速やかに都道府県知事に妊娠の届出をしなければならない。
(2) 母子健康手帳は、児の出生の届出時に交付される。
(3) 未熟児に対する養育医療の給付は、市町村が行う。
(4) 3歳児健康診査は、都道府県が行う。

「母子保健」…誰もが誕生する数か月前から数年間、お世話になってきたものです。
でも、もちろんほとんど記憶になんてありませんよね。

でも、養成校の学生さんの中には、出産・子育てを経験された方もいるでしょう。
そんな皆さんにとっては、とても親しみのあるものかもしれません。
私自身、長男・次男妊娠から末っ子が幼稚園に上がる前までの8年の間は、一番身近な「保健」でした。

母子保健ってどんなもの?

母子保健では、母子保健法に基づき、健康診査、保健指導、療養援護、医療対策を行っています。

★母子保健法のポイント
●妊娠した者は市町村に妊娠の届け出をする
妊娠の届け出に対し、区町村から母子健康手帳が交付される
市町村が乳幼児健診(1歳6か月、3歳)を実施する
市町村が未熟児養育医療の給付を実施する
●市町村が主体となって、妊産婦や乳幼児の保護者に対して、妊娠、出産、育児に関わる保健指導を行う

つまり、母子保健の主な担い手は市町村だということがわかります。
確かに考えてみると、
都庁や県庁に妊婦さんや乳幼児親子がたくさん来ているイメージってあんまりないですよね…

母子健康手帳を見てみよう!

母子健康手帳、もし親御さんが持っているようなら、ぜひ見せてもらってください。
お子さんがいる方は、改めてお子さんの手帳を見直してみても良いですね。

実際に見てみると、まず、その表紙で手帳の交付元がすぐにわかります。
そして、中を見ていくと、出生届出済証明、妊婦健診の記録から、出産時の母子の状態、
産後の母体の経過、乳幼児の発育記録、健診の記録、予防接種の記録があります。

「お母さん、妊娠中こんなに体重増えたんだ!」
「えっ、出血多かったって書いてある…💦」
「生まれた時の身長50㎝…小さい!」

意外と面白いかもしれません。

他にも、乳幼児育児に関する情報が載っているページがあったりもします。
私は、娘の母子健康手帳の後ろ方のページにあった「救命手当」のイラストが、
なぜか強く印象に残っています。
赤ちゃんが誤飲・窒息するリスクのある物のサイズは、直径3.9㎜以下だとか。

未熟児養育医療?

最近では「未熟児」という言い方は使わず、「低出生体重児」と言います。
まず、赤ちゃんってどのくらいの体重が普通なの?というと、
「正出生体重児」とされるのは「2500g 以上 4000g 未満」。
つまり、2500g未満で生まれた子が「未熟児」です。

未熟児だとなぜ「医療」が必要なのか…「未熟」の程度によって様々です。
「未熟」の程度が軽い方だったであろう、2000g弱で生まれた我が子たちは、
自分で体温を保持する力と、哺乳をする力が足りず、医療から離れるまで一ヶ月かかりました。
NICUGUCには、もっと長期間の入院が必要な子もたくさんいました。
この費用を市町村が給付してくれるというのは、これからの子育てにかかる費用のことを思うと
とてもありがたいことです。

妊娠期・授乳期の食事は、エネルギー・タンパク質・ビタミンA・ビタミンD・葉酸・カルシウム・
鉄・マグネシウム・亜鉛・銅・ヨウ素・セレンに付加量があります。

赤ちゃんの食事は、1か月単位で少しずつ適した状態や量、内容が変わります。

特に初めての出産・子育てに臨むお母さんたちにとって、
栄養士さんのアドバイスは欠かせません。
お母さん達に寄り添った指導ができる栄養士になるため、母子保健もしっかり理解しておきましょう!

さて、「★母子保健法のポイント」を読んだ時点でお分かりかと思いますが、
正答は「(3) 未熟児に対する養育医療の給付は、市町村が行う。」になります。

 出典:厚生労働省HP、低出生体重児 保健指導マニュアル
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000592914.pdf
   栄養科学シリーズNEXT 公衆衛生学 社会・環境と健康 第3版 講談社サイエンティフィク


※建帛社 2025年版 栄養士実力認定試験過去問題集
全国栄養士養成施設協会が毎年実施する実力認定試験を2024年12月実施分まで、
過去5年間の問題を分野別に網羅。直近2年は、実際の問題用紙を掲載。解説付き別冊解答充実。
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▶Columnist Profall
協会事務局スタッフ M・Y
管理栄養士
日本女子大学卒業
大手食品メーカーの研究職を経て、現在に至る。
3児のママ。

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