深堀り！栄養士実力認定試験過去問題～公衆衛生学①～
スタートは公衆衛生学からです。
公衆衛生学…実は私、学生時代の苦手科目でした。
「苦手」と言うか、法や制度、統計が絡むものにはイマイチ興味が持てず、なかなか頭に入ってこない…。
でも、二十数年振りに公衆衛生学の教科書を見て、改めてその内容の重要性を感じました。
栄養士の職務を理解するために、公衆衛生学への理解は欠かせません。
それどころか、日本で生活する大人として知っているべきことも満載です。
さて、今回の「深堀り」するのは、2024年度問題3です。
この問題の正答率は60.5％でした。
正答は文末に掲載します。
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（2024）問題3. 国民医療費についての記述である。正しいのはどれか。 |
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「医療費削減！！」という声は新聞やニュースでよく耳にします。
では、その「医療費」とは、どんな費用なんでしょうか？
そして、その現状はどうなのでしょうか？
これが分かっていれば、正解が分かります。
国民医療費に入るのってどんな費用？
でも、病院などにかかわる費用の中には、「国民医療費」に入らないものもあります。
国民医療費は「当該年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用」です。
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★国民医療費に含まれるもの |
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★国民医療費に含まれないもの |
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歯科や皮膚科のクリニックで「保険適用外」「自費診療」なんて言葉を見たり聞いたりしませんか？
これらの保険診療の対象とならない医療費は国民医療費には入りません。
国民医療費の財源って？
に分かれています。
それぞれの令和4年度の構成割合はこんな↓感じです。
国民医療費の現状は？
一人あたりに換算すると年間約38万円。
さすがに(4)の「一人あたり300万円」ではありませんが、かなりの金額です。
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★国民医療費の動向（令和４年度） |
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国民医療費が増加する要因の一つが「高齢社会」。
加齢に伴って罹患率が上昇する生活習慣病や骨粗鬆症などの患者数は、高齢社会では増加します。
つまり、皆さんが栄養士として一人でも多くの方の食生活を改善したり、
子どもたちの食育に取り組むことが、将来の国民医療費の削減にもつながっていくことなんですね。
さて、ここまで読んでいただくと、
介護に要した費用と正常妊娠・分娩の費用は国民医療費には含まれないこと、
保険料で賄われている国民医療費は5割（50％）であること、
国民医療費は、2000年度以降でみると増加傾向で、一人あたり年間 約35万円であること、
がわかりましたよね。
よって、正答は「(5) 国民医療費は、2000年度以降でみると増加傾向である。」になります。
出典：厚生労働省HP、 統計情報・白書 > 各種統計調査結果 > 厚生労働統計一覧 > 国民医療費（業務・加工統計） >
平成21年度国民医療費の概況 > 国民医療費の範囲と推計方法の概要
統計情報・白書 > 各種統計調査 > 厚生労働統計一覧 >
国民医療費https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/37-21.html「令和４（2022）年度 国民医療費の概況」
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▶Columnist Profall
協会事務局スタッフ M・Y
管理栄養士
日本女子大学卒業
大手食品メーカーの研究職を経て、現在に至る。
3児のママ。
