深堀り!栄養士実力認定試験過去問題~社会福祉概論①~

私が学生だった二十数年前は、「社会福祉概論」という科目は無かったような…
その内容は公衆衛生学で学習しました。
社会福祉の様々な制度を理解し、活用できるかどうか。
これは各ライフステージでの生活のしやすさを大きく左右します。
試験勉強のためにも、栄養士として働いていくためにも、そして、
今後の私生活のためにも、ぜひ学修しておきたい科目ですね。
社会福祉概論からの「深堀り」1問目は、2022年度の問題6。
正答率74.5%の問題です。
答えは文末に掲載します。
(2022年)問題6. 地域包括ケアシステムについての記述である。正しいのはどれか。 |
---|
地域包括ケアシステムとは?
言葉をかみ砕くと、「地域全体でひっくるめてまとめてお世話をする制度」と言ったところでしょうか。
★地域包括ケアシステム |
---|
さて、前回の「母子健康手帳」同様、「実際に見てみる」ことができたら、記憶に残りやすいのでは‥‥?
ということで、お近くに地域包括支援センターがある方は、ぜひ足を運んでみてください。
因みに、私は協会の所在地(東京都港区)の地域包括支援センターについて調べました。
港区では地域包括支援センターの呼び名を「高齢者相談センター」としていて、区内に5か所ありました。
他の地域はどうなのかな?と、私自身が数年前まで住んでいた仙台市の地域包括支援センターを調べたところ、
市立中学校あるいは市立小学校の学区を基本に管轄を分け、なんと57か所もありました!
さいたま市では「シニアサポートセンター」と呼ぶそうです。
地域によって地域包括支援センターの在り方は様々であることが分かり、なるほど、
「地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていく」ものなのだなと納得ですね。
皆さんも、お住いの地域の地域包括支援センターについて調べてみましょう。
介護保険制度
地域包括ケアシステムは、介護保険法の理念を実現するためのシステムです。
介護保険法を根拠とした介護保険制度とはどんなものなのでしょうか?
★介護保険制度 |
---|
40歳以上になり、給与から引かれる介護保険料。
「手取りが…」と思わないこともないですが、
自分自身や家族がいつお世話になるか分からない介護保険制度を支えるためには
大事な保険料なんだよなぁと改めて思います。
さて、正答はもうおわかりでしょうか。
地域包括ケアシステムは、「急速な高齢化」が背景、
「可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続ける」ことが目的、
その内容は医療介護総合確保推進法に示され、2025年を目途に構築するとされている。
つまり、正答は「(1) 高齢者をはじめとする国民が、住み慣れた地域で自分らしく暮らすための体制である。」となります。
出典:厚生労働省HP、政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 地域包括ケアシステム
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/index.html
サクセス管理栄養士・栄養士養成講座 2025年版 「公衆衛生学 健康管理概論 社会・環境と健康」 第一出版
Nブックス 新版社会福祉概論(第3版)、建帛社
全国栄養士養成施設協会が毎年実施する実力認定試験を2024年12月実施分まで、
過去5年間の問題を分野別に網羅。直近2年は、実際の問題用紙を掲載。解説付き別冊解答充実。
5年間のすべての問題の正答率も示す。ご購入は建帛社様サイトから。
栄養士実力認定試験に関するお問い合わせはこちらからご入力してください。

▶Columnist Profall
協会事務局スタッフ M・Y
管理栄養士
日本女子大学卒業
大手食品メーカーの研究職を経て、現在に至る。
3児のママ。