深堀り!栄養士実力認定試験過去問題~社会福祉概論②~

社会福祉概論からの「深堀り」、第2問目は、2024年度の問題6です。
この問題の正答率は70.7%でした。
正答は文末に掲載します。
(2024年)問題6. 児童福祉についての記述である。正しいのはどれか。 |
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高校卒業後すぐに栄養士養成校に入学した方は、ほんの数年前まで「児童福祉法」の対象範囲内でした。
お世話になった程度は人それぞれだとは思います。
でも、保育園に通っていた、児童館で遊んだ、という方は多いでしょう。
保育園も児童館も、「児童福祉施設」の一つです。
児童福祉の法律・施設
★児童福祉法 |
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★児童相談所 |
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★児童福祉施設 |
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「児童」の定義や、児童相談所の業務、児童福祉施設の形態は、他の過去問でも出題されています。
ポイントとして押さえておきましょう!
児童虐待
前回の地域包括支援センターのように、「児童相談所に実際に行ってみましょう!」とは何となく言いづらい…
この心理的なハードルの高さは、「児童相談所」とよく一緒に耳にするのが、
「児童虐待」であるということから来ているのかもしれません。
全国の児童相談所における児童虐待相談対応件数は増加の一途。
今年(令和7年)4月に成立した「児童福祉法等の一部を改正する法律」では、
虐待を受けたこどもへの対応の強化について定めています。
栄養士と児童虐待、直接関係あるの?と思いますよね。
でも、保健センターでの健診や栄養指導、
保育所・学校の給食など、栄養士が親子・子どもと関わる職場は結構あります。
これらは、実は児童虐待の兆候を発見する機会の一つです。
「ママに抱っこされているのに、グーっと力が入って緊張している子がいたら教えて」
「離乳食教室ではママの表情も見て、気になることがあったら報告して」
大学4年生で「保健所実習」に行った際、乳幼児健診の前に保健師さんから言われたことです。
給食に対しての子どもの言動の中にも、サインはあるかもしれません。
多くのお父さんお母さんは、子どもと囲む食卓に幸せを感じているでしょう。
でもその反面、好き嫌いや食費、調理の手間など、親にとって大きなストレスにもなり得る。
特に離乳食期は、「なかなか食べてくれない」「お皿やコップをひっくり返される」
「飽きたら手づかみで食べ物を投げてくる」なんて日常茶飯事。これが1日3回…。
私自身、双子の離乳食期は、食事の時間が苦痛じゃなかったとは言い切れません…。
「もしかして?」と感じ取れるよう、児童虐待についても学んでおくことが大切です。
それでは正答です。
児童福祉法における「児童」とは「満18歳に満たないもの」であり、
妊産婦とは「妊娠中または出産後1年以内の女子」である。
児童相談所の業務の一つとして「一時保護」があり、
児童福祉施設には入所型、通所型、双方の機能を持つものがある。
つまり、正答は
「(2) 「児童福祉法」における妊産婦とは、妊娠中または出産後1年に満たない者である」となります。
出典:こども家庭庁HP、政策、児童虐待防止対策、令和7年4月に成立した改正児童福祉法について(児童虐待防止対策関係)
https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/Revised-Child-Welfare-Actr7
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▶Columnist Profall
協会事務局スタッフ M・Y
管理栄養士
日本女子大学卒業
大手食品メーカーの研究職を経て、現在に至る。
3児のママ。